月経痛(下腹部痛)

毎月やって来る月経に痛みが伴うことは大変つらいことです。月経痛が強いこと、または月経量が多いことを月経困難といい、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因のことがあります。また明らかに原因が見つからない場合にも痛みは存在するので治療の対象となります。
子宮筋腫
子宮筋腫は女性の4人にひとりが持っているといわれており、筋腫があるからといって治療が必要なわけではありません。ただ筋腫の大きさや数、筋腫の場所によっては月経に伴う痛みがでたり、月経量が多くなって貧血になってしまう場合があります。また不妊の原因になる場合もあります。
子宮内膜症
子宮内膜症とは子宮内膜(月経のときに血液とともに流れる内膜)と同じ組織が子宮内膜以外にできるものをさします。子宮筋層内にできれば子宮腺筋症といって子宮が大きくなり、月経痛が強くなり月経量も多くなります。卵巣にできれば卵巣が腫れてきて痛みが強くなったり、不妊の原因にもなります。子宮の周囲の骨盤内に同時にできていることも多くあり、排便痛や下腹部痛の原因にもなります。40歳を過ぎると癌化についての心配もあり、定期的な検診が必要です。
機能性月経困難症
原因がはっきりしないかたでも症状が強い場合には機能性月経困難症と診断されます。将来の子宮内膜症のリスクもあるので、現時点での痛みを改善することに加えて、将来の不妊症を予防する意味でも治療は大切です。
不正性器出血・月経不順

月経不順と不正性器出血は判断が難しいことがよくあります。
不正出血の場合には性成熟期以降は子宮頸がんのチェックが必要です。40代ごろからは子宮体がんのチェックも必要となってきます。良性の内膜ポリープなどが原因のこともあります。閉経後になると萎縮性膣炎といって、ホルモン変化によって膣内に炎症がおきて、少量の出血をきたす場合があります。また妊娠に伴う出血も多くあり、可能性があれば妊娠検査での確認が必要です。
月経不順はストレスなどが原因でホルモンが乱れることもありますが、甲状腺や糖尿病などのホルモン異常が隠れている可能性があります。排卵のみが障害されている多嚢胞卵巣症候群であるかたも多いです。月経不順は治療しないでおくと将来の子宮体癌のリスクが増えます。ご自身が困っていなくても受診をしましょう。
細菌性膣炎・真菌性膣炎
疲れや風邪などの免疫力が下がったときになりやすく、かゆみで眠れないこともあります。背景に他の感染症が隠れている場合もあります。
月経前症候群(PMS)

月経前に頭痛・むくみ・抑うつ症状・いらだちなどの症状がでてくる月経前症候群については生活習慣の改善や漢方治療、排卵を抑制するホルモン療法などでの治療法があります。